国際セミナーレクチャー&カフェトーク『知能手術ロボット』(5/29)


「ESDコース国際セミナーレクチャー&カフェトーク」

知能手術ロボットの世界的フロントランナーである波多野教授の講演を開催します。
参加費無料・事前登録不要で大学院生、学部生、教職員の方がご参加いただけます。


【イベント詳細】
●日時:2024年5月29日(水)15:00 – 17:00

●場所:大岡山キャンパス(EEI棟1F多目的ホール)

●対象:大学院生、学部生、教職員

●問合せ先:齊藤滋規研究室 Shigeki Saito Research Group – SSRG –
      E-mail:ssrg.tokyotech [at] gmail.com

【研究講演概要】
 手術ロボットは約30年の発展の中で、主に高精度と高緻密度を追求してきたが、この進化の原動力は、最先端の機構、センサー技術、駆動技術、制御技術、および材料技術の進歩にあった。
 一方で、広義のロボット研究分野では、人工知能技術の発展と汎用化が進められ、ロボットの知能化研究が自動化及び協働化を中心に進められてきた。
 昨今は特に生産業において協働化を中心とした知能ロボット技術が格段に実用化されはじめている。手術ロボット分野においても、手術作業の一部を協働する等、医師の判断の増幅もしくは補完を行うロボットの知能化研究が萌芽的に始められている。
 制度的にも、自動車の自動運転と同様に、医師と手術ロボットが段階的に協働化されていく枠組みも
整備され始めている。本講演では、これらの知能ロボット研究が、手術ロボット分野にどのような形で影響を与えているかについて、演者と米国の他の研究者の実例を交えながら紹介し、同時に知能化で得られる臨床的、経済的、社会的効果を探る。
 手術ロボットの知能化の進展に伴い、ロボットとユーザーの協働作業が促進され、その過程で意思
の疎通が必要となったときに、どのような技術が知能手術ロボットに応用できるのかについても議論する。
 最後に、日本国内で手術ロボットの商品化ブームが一巡した後、次世代の手術ロボットが知能化で国際競争力を目指す際の、日米の共同研究の発展のあり方を探る。

【波多野教授略歴】
兵庫県出身。米国ボストン在住。ハーバード大学医学部教授。
東京大学工学部卒業(‘93年)、東京大学大学院にて修士(‘95年)及び博士課程を修了の後、博士(工学)を受理。(’98年)。
大学院在学中よりハーバード大学医学部ブリガムアンドウィメンズ病院に留学し、以降同学の講師、助教授、准教授を経て‘17年10月に教授に就任した。
この間、’01年より4年間東京大学情報理工学研究科の教員にも就任している。専門研究領域は、画像誘導手術への応用に特化した医用画像工学とロボット工学。特筆すべき業績には、手術用ロボットの開発と臨床応用、画像処理ソフトウェア3D Slicerの開発、臨床応用、人工知能を活用したロボットの知能化が挙げられる。基礎研究から臨床応用まで幅広く研究活動を行っており、特に産業界と協力しながら先端医療機器を商品化する研究スタイルをボストンの医療産業エコシステムを活用して行っている。
これまでに英文原著論文102件、総説5件、英文著書12件、国際特許42件、国際招待講演91件で研究成果の頒布を積極的に行っている。連絡先はhata [at] bwh.harvard.edu。

※ 本イベントは、キャリア開発・育成コンテンツのイベントではありません